そして決意。
昨年末、僕に農家になる事を決意させる出来事がありました。
会社の経営悪化による事業所の閉鎖
僕は正規雇用社員、非正規雇用社員合わせて15名程度の小さな事業所を任されていたのですが、経営不振により事業の統合という名目で、突然事業所の閉鎖を言い渡されたのです。
非正規雇用社員の契約満了以降の継続雇用の停止と正規雇用社員の希望退職の推奨。
正規雇用社員にとっては実質的にいわゆるリストラです。
僕以外のメンバーは全て該当者。
今まで一緒に頑張ってきたメンバーが路頭に迷う。
以前このブログでも書きましたが、若かりし頃の僕もこうした事を度々経験してきましたが、今回は自分だけの問題ではない。今まで支えてくれた多くの仲間達の人生がかかっています。
労働組合に協力してもらい、会社側に直接交渉するなど自分が出来る限りのことをしたつもりでしたが、力足らずで多少の希望退職割増金増額程度の事しか出来ず、一緒に頑張ってきた仲間達は退職を余儀無くされてしまいました…
一本の電話
四半世紀以上サラリーマンをやってきましたが、3度に渡って会社や事業所の閉鎖。結果的に結局自分の力ではどうする事も出来ないジレンマ。
会社という組織自体の不信感。
あと数ヶ月で50歳を迎える僕は今後の残りの仕事、いや、人生に疑問を感じざるを得なくなったのです。
そして明けた2020年1月、ある一本の電話に僕の心ちは大きく揺さぶられる事になります。
佐渡でコメ農家を営む義父から
「田んぼ、辞めた。近所の者に預けたよ。」
「今まで永い間手伝ってくれてありがとう。」
今まで聞いた事がないくらい寂しそうに、そして絞り出すように話す義父の言葉をただただ聞いて電話を置いた後、僕の心の奥にあったモノが湧き上がってきたのです。
「こうして日本の農業は無くなっていくんだ。このまま黙って見ていていいのか?」
正直、農業をやるにしても妻の実家を引き継げば良いのでは?という何処かで甘えがあったのだと思います。
そんな甘い考えでやれるほど生易しく出来るはずが無い。
本当にやる気があるのなら、自分でゼロからやるくらいの気持ちが無ければやり抜けない。
誰かに頼るのならサラリーマンと同じ。
自分で考えて自分で決めて自分で行動する。
こう決心しました。