Nobby’s farm

中年ど真ん中のサラリーマンが百姓を目指す日記

お互いの両親

普通のサラリーマンおじさんがどうして農家を目指そうと思ったのか。

 

妻の実家での米作りのお手伝い。

会社員として、ここ十数年間エアコンの効く室内でパソコンと電話が必須アイテムとして働いてきた僕にとって、土と天気を相手にする農業という仕事は真逆で新鮮に写りました。

 

一年、二年と経つにつれ、いつの間にかこの時期が来るのを楽しみにしている自分がいるのに気づいたのです。

今まで永い間この田んぼを立派に受け継ぎ、守ってきた義父や義母。

後継者が無くこのままだと先祖から引き継いできたその田んぼを自分の代で手放さなければならない…。

 

僕自身、今のこの生活に決して不満があるわけではありません。

しかし何というか上手く表現出来ないのですが、半ば宿命と言えば大袈裟かもしれませんが

「お前がやらねば誰がやるんだ?」

と見えない何かに促されているような気がして、思い切って妻に相談してみました。

 

妻自身、年老いた両親の事もあるので理解を示してくれるだろうと思っていましたが、驚く事に妻の言った言葉は

「気持ちはありがたいけど、今の生活を捨てて田舎に戻るつもりはない。」

「島での生活は厳しいよ。」

「何よりあなた(僕)の両親の事もあるし…」

 

確かに僕の父は15年ほど前に脳梗塞を患い、右半身が不自由に、さらに昨年再発して今度は程度が軽かったにしても、左も麻痺が残る障害を持っています。

年齢も80歳を超えて、決して健康であるとは言いがたい状態です。

一緒に暮らしている母も腰の疾患に悩まされています。

現在その僕の実家から遠くない場所に一緒に居を構えてくれている妻はその身を案じてくれているのでしょう。

 

気持ちはありつつも踏ん切りの付かない状態のまま数年が経ち、そして今年の年末、大きな転機が訪れたのです。